【禁煙】 禁煙支援を保険を使って行うためのやさしいマニュアル 資料
 禁煙支援マニュアル
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「禁煙支援を保険を使って行うためのやさしいマニュアル」 資料


呼気中一酸化炭素測定装置について

 ニコチン依存症の保険治療を行う医療機関には、設置されていなければいけない機械とされています。

 現在使用できる医療器具として承認済み機種は下記の2種です。

  1. マイクロスモーカライザー(原田産業)
  2. マイクロCOモニター(フクダ電子)

 両機種とも値段は15・6万円程度です。両機種とも呼気中の湿気に弱く、強制排気装置がないために前の測定者の呼気中一酸化炭素が高値であると、次の測定値が高く出やすいという問題点の指摘があります。  

 国産のイキイキモニターは、強制排気装置がついているため湿気の影響を受けにくく連続測定しても安定した測定結果が得られることや、一酸化炭素以外の気体の濃度に影響されないことなど、特性を備えていました。加えて価格が5・6万円と安いことから、多くの医療機関で使われていましたが、医療器具としての承認がおりていなかったことから、、薬事法違反ということで販売中止、平成18年7月31日、製品回収を監督官庁から指示されました。

 ちなみに、現在認可されている二つの機種を比較しますと、メインテナンス費用を考えるとマイクロCOモニターがややお得です。しかし製造元ではオプションとして売られている「コンピューター接続ソフトとケーブル」を、販売元のフクダ電子では「標準装備」として販売していますので、一般の禁煙外来では不要の「コンピューター接続ソフトとケーブル」を無理に購入させられることになり、計算上約1万5000円高くなります。

 さてここで問題になった、薬事法の、関係する文言を書き出してみます。

【薬事法(第2条第4項)】
 この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるものをいう。

 呼気中一酸化炭素濃度測定器は、疾病の診断、治療若しくは予防に使用されているから、医療機器だという判断がなされたようですが、 呼気中一酸化炭素濃度測定器は禁煙治療のどの部分の「疾病の診断、治療若しくは予防」に使われるのでしょうか。私は疑問に思いましたので、「禁煙治療の標準手順書」を読み直してみました。

  • ニコチン依存症の「診断」はTDSで行うと明記しています。(機器での診断は行っていない) したがって診断機器ではありません。さらに言えば、呼気中CO値が30であっても10であっても、それによって治療が変わるわけでもありません(機器の値がどうあろうとも、治療は影響を受けない)。
  • いくら呼気を吹き込んでもニコチン依存症はよくなりません。つまり「治療器具」でもありません。 もちろん何度検査しても、「人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼす」ことはありません。
  • すでにニコチン依存症になった人に使用しますので、「予防機器」ではありません。

 保険治療というのは約束事の世界ですから、決まった約束事は遵守するのが当然ですが、このどこが「疾病の診断、治療若しくは予防」に該当するのでしょう。またどう法律の文言を読めば「人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている」機器になるのかと私は思うのですが...。

 私には理解できないことがいろいろとあるように感じています。



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文書名:禁煙支援を保険を使って行うためのやさしいマニュアル
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